おはようございます。ホタルの会のおぢさんです。今朝は5時に起きて、東京から来ました。福沢小学校の皆さんは良い子ばかりで、私は毎年こちらへ伺うのをとても楽しみにしています。
ところで皆さん、ホタルを見たことありますか?ホウー!これはすごい。100%ですね。東京のお友達は残念ながらホタルを知りません。どうしてかって?東京はコンクリートのビルばかりで自然がなくなってしまったからです。
それに比べると、皆さんは幸せだと思います。まわりには自然が沢山あって、その上アサヒビールの方々がホタルの小川をつくって、幼虫を一生懸命育てて、春にはこうして放流会、夏には観賞会を開いて下さる。皆さんはとても恵まれていると思います。
お世話になる大橋さんにありがとうございますってお礼をいいましょう。大きな声で ハイ!よくできました。帰りにビールを呑まして下さるかもしれませんよ。楽しみにしていて下さい。
アサヒビール鰍ヘ、ビール用材の環境活用により、この度、地球環境大賞、農林水産大臣賞を受賞されました。おめでとうございます
今、自然という言葉を2回使いました。
自然というのは、水 みどり 土 光 空気 のことをいいます。
この全部がきちんとそろって、はじめてホタルは飛びます。どのひとつが欠けてもホタルは飛びません。ですから、ホタルは美しい自然の申し子なのです。申し子というのは、おくりもののことです。
ホタルがどうしてそんなに素晴らしい「おくりもの」なのかといいますと、ホタルの光は1/fα(アルファハ)といってこの世の中でいちばんやさしい光のことをいいます。ホタルの光を見た人は、みな心が洗われて、幸せにつつまれます。美しい自然をまもっている人達へ、ホタルは自然界からのごほうびなのです。
では、ホタルのお話しに入ります。これはホタルの一生を表したものです。たまご〜よう虫〜さなぎ〜せい虫、この数字を全部たすと、12ヶ月になりますね。ですから、ホタルの寿命は一年です。
皆さん思い出したでしょ。そうです。理科の授業で勉強しましたね。こん虫の、完全へんたいと不完全へんたいでしたね。
ホタルの種類についてお話します。ホタルは図のように2種類に分れます。水生ホタルと陸生ホタルです。水生ホタルは、一生のうちのほとんどを水の中で暮らします。陸生ホタルは、水に入らず、人目につかない野道や山の中で暮らします。水生ホタルは、皆さんも知っているゲンジボタルとヘイケボタルです。
左の表は、ゲンジとヘイケの比較です。今日は短いお勉強ですが、この、ゲンジボタルとヘイケボタルを覚えて帰って下さいね。これだけ知っていれば、皆さんはもう立派なホタル博士ですよ。
●大きさは、ゲンジの方がヘイケの約2倍です。ですから、光り方も飛び方も大きいのです。
●もうひとつのちがいは、すむ場所のちがいです。ゲンジは、流れる小川にすみ、ヘイケは流れのない田んぼにすんでいます。
●ゲンジは、世界中で日本しかいない、大変貴重なホタルです。ですから国では天然記念物として守っています。
●ヘイケは、アジア全体にみられます。田んぼが好きなので、お米をつくっている韓国や中国、タイやベトナムなどにもすんでいます。
ホタルのせせらぎ
●ホタルのたべものは、ゲンジの幼虫はカワニナという巻貝を沢山食べて成長します。これから配りますから順番にまわして観察しましょう。
●ヘイケの幼虫は、カワニナの他に、タニシやモノアラガイ、死んだメダカやオタマジャクシなどもたべます。皆さんも好ききらいのない子程、丈夫で健康ですね。ホタルも、ヘイケの方が小さくても偏食しないので強いのです。
●皆さんがこれから放流するのはゲンジボタルの幼虫です。幼虫は、とても柔らかいので、強くにぎると弱ってしまいます。幼虫は歯がないので、咬んだり、刺したりしません。
掌にのせると驚いて丸くなってしまいますが、そっと水に入れてあげて下さい。夏には立派な成虫になってくれますよ。
皆さまが、ホタルのお話をされる時の 参考にして下さい。そして夏!
「ホタル見」の際の予備知識として、お読みいただければ幸いです。
皆さん こんにちは!今日はホタルのお話をします。ところで、今までにホタルを見たことある人、手を挙げてみて下さい。ホゥー!これは凄い。アサヒさんのお陰ですね。
ホタルの光は、1/f α(アルハーハ)「ゆらぎ」といって、この世の中でいちばんやさしい光のことをいいます。ホタルの光を一度見た人は、とたんにやさしい人に変身します。小さなことですぐ怒ったり、人の悪口を言ったり、いじめやけんかなどができない人になってしまうのです。それは、皆さんの心に灯ったホタルの光が、皆さんの気持ちをどんどんやさしくしていくからです。
ホタルは、不思議な力ををもっているんですね。
光るゲンジボタル
幼虫放流会
さて、私達の遠い遠い祖先のことを、原始人とか古代人といいますが、髪の毛やヒゲがぼうぼうで、裸に毛皮を着た人!本でみたことあるでしょ。その先輩達は、住む場所を見つける時、まずホタルをさがしました。ホタルがすむところは、人間にとっても、いちばん住みやすい場所だからです。そうして、人とホタルは、何千年も何万年も一緒に暮してきました。
その名残りが「里山」というかたちで残っています。
「里山」というところは、雑木林に囲まれて、田んぼや畑の間をきれいな小川が流れていて、いきもの達がみな幸せに暮らせる、とても平和なところです。
ホタルは、その里山環境の結晶なのです。「里山」については、学校で先生に教えて貰ったり、図書室で調べてみて下さい。
自然と生物について、色んなことが勉強できますよ。
ホタルは暖かいところにすむ昆虫です。世界にはおよそ2,700種類、日本では54種類が確認され、そのほとんどは沖縄地方、南西諸島に住んでいます。
本州には、下図の約9種類が見られます。皆さんが知っている「ゲンジボタル」と「ヘイケボタル」は、一生の大半を水中で暮らすので水生ホタルといいます。あと7種類は、一生を山や野道で暮らす陸生ホタルです。
「卵」には水際のコケ、「幼虫」には流れ、「蛹」には土の土手、「成虫」には草や木の茂みと飛びまわる暗い空間が必要不可欠です。
この内のどのひとつが欠けても、ホタルは飛べないのです。
ホタルの寿命は、わずか一週間ですが、飛び回る雄には外敵も多く、3〜4日しか生きられません。その短い間の目的はただひとつ、子孫を残すことだけです。
交尾が終ると雌は4〜5日後に産卵を始めます。産卵の場所は、羽化したところより上流に遡上します。
<産卵の条件>
1 上流の水際のコケ(ノコギリゴケ、ナギゴケ、ツヤゴケ)
2 直射日光が当らず、乾燥していない場所
3 大雨等増水時に流されない場所
4 幼虫がジャンプして水面に落下し易い場所
5 落下する場所は流れがゆるく、カニワナが多いところ
6 外敵のアリが近寄らないところ
7 ゲンジの産卵数は、ヘイケの10倍 500〜1,000
幼虫は尾脚で小石や泥をつかみ、3対の脚で体を伸縮させシャクトリムシのように歩きます。
幼虫の主食は巻貝です。貝の口から出た舌のような軟体部に大アゴでかみつき、マヒさせると、頭を突っこんで肉をかみながら消化液で肉を溶かし、肉汁をスープのようにすすります。このことを体外消化といいます。
魚類は、頭部に呼吸のためのエラをもっています。ホタルの場合は、粘液の多い巻貝に頭を突っこんで食べるため、エラが頭部にあると窒息してしまいます。そのため、腹部に8対のエラがあり、このエラで酸素を摂っています。鼻の役目をしているのです。そして、2マタに分かれている短く丸い方が気門といって、陸上呼吸に使われます。
1 幼虫は、川の淵と瀬の中間で、緩やかな流れに多く生息しています。
2 幼虫は、背光的で昼間は右の下に隠れ、夜になると餌を求めて歩き回ります。
3 隠れる石は、浮き石で、平たく色の濃いものを好むようです。
4 幼虫は、9ヶ月間に20個体以上のカワニナをたべます。ヘイケは消化吸収力に優れ、動物蛋白なら大抵のモノをたべますが、ゲンジの場合は、カワニナ以外のモノは吸収できないようです。
5 ゲンジの雌とヘイケは1年で成虫になりますが、ゲンジの雄の80%近くは2年も3年も水中生活を送ります。その理由は、種の保存のための防衛と考えられています。
1 上陸は最低気温が10℃以上、降雨で、風のない19:00〜21:00
2 幼虫は、条件が良い場所を求めて、10m以上も移動することがあります。
3 潜土は、草の根本や、石と土の隙間で直射日光が当らない場所を選びます。
4 そこは、土が柔らかく保湿性と通気性に富んだところです。
※ヘイケボタルの上陸期間は長く、5月から7月まで、だらだらと、田の畦に上陸します。
1 時期:6月10日〜30日(関東)情報は地域の観光課へお問い合わせください
2 時間:一晩三回@19:30〜A23:00〜B2:00〜頃 (ホタル達は約2時間飛翔し、2時間休憩します)
3 飛翔:空中湿度の高い水上をオスが飛び、メスは下の草むらでオスを待つ。
4 集団同時明滅:不規則に光るメスと区別しやすくするために、オス同士が発光周期を同調させます。
5 飛翔しない日:気温が13℃以下、強い風雨、満月の夜。
6 飛翔の妨げ:人工照明〜ホタルは1ルックス以上の明るさになると、発光活動が低下し、木蔭へ移動してしまいます。特に車のヘッドライトや懐中電灯など動く光は嫌います。